M&Aコラム

トップ > M&Aコラム > 介護 > 在宅 > 訪問看護 > 訪問看護ステーションのM&A手順とスケジュール|初めてでも安心の完全ガイド

訪問看護ステーションのM&A手順とスケジュール|初めてでも安心の完全ガイド

訪問看護ステーションを経営する中で、こんなお悩みはありませんか?

  • 後継者がいない
  • 経営が厳しい
  • 他法人に引き継いで施設やスタッフを守りたい
  • 今のうちに事業を譲って引退したい

こうした理由から、「訪問看護ステーションの売却(M&A)」を検討される経営者の方が近年増えています。

しかし、M&Aというと「難しそう」「どう進めればいいのか分からない」と感じて手をつけられない方も多いのではないでしょうか?

この記事では、訪問看護ステーションのM&Aにおける手順とスケジュールを、専門家の視点でわかりやすく解説します。


目次

  1. なぜ今、訪問看護ステーションのM&Aが増えているのか
  2. 訪問看護M&Aの全体フロー【7ステップ】
  3. ステップごとの詳細と注意点
  4. M&A完了までのスケジュール感
  5. よくある質問と不安への回答
  6. まとめ|「早めの相談」が成功のカギ

1. なぜ今、訪問看護ステーションのM&Aが増えているのか

訪問看護ステーションは、少人数での運営が可能で、医療法人・福祉法人・民間企業からの買収ニーズが年々高まっています。

M&Aが増えている背景には以下のような理由があります。

  • 経営者の高齢化や後継者不在
  • 看護師の採用・維持の難しさ
  • 介護・医療の統合ニーズによる再編加速
  • 開設から数年経ち、収益が安定している事業が増加

その結果、「今のうちに譲渡してリタイアしたい」「スタッフや利用者を守りながら撤退したい」といった希望が多くなっています。

2. 訪問看護M&Aの全体フロー【7ステップ】

訪問看護ステーションのM&Aは、主に以下の7つのステップで進みます。

  1. 無料相談・売却の意思決定
  2. 簡易査定・企業価値の把握
  3. 買い手候補の探索・提案
  4. トップ面談・条件交渉
  5. 基本合意契約の締結
  6. デューデリジェンス(調査)
  7. 最終契約・引き継ぎ完了

3. ステップごとの詳細と注意点

ステップ1:無料相談・売却の意思決定

まずは、M&A仲介会社や専門家に相談して、自社が売却可能か・市場でどのくらい評価されるかを確認します。

▶ ポイント

  • 匿名での相談も可能
  • 自社の希望条件(時期・金額・引き継ぎ範囲)を整理する

ステップ2:簡易査定・企業価値の把握

売却価格の目安を知るために、簡易査定を行います。

訪問看護の場合は、以下のような点が評価に影響します。

  • 年間売上・利益
  • 利用者数・訪問件数
  • スタッフ数・人員体制
  • 許認可状況や指定更新のタイミング
  • 看護師・管理者の定着率

ステップ3:買い手候補の探索・提案

M&A仲介会社が、売却条件に合った買い手企業を探します。

▶ よくある買い手像

  • 医療法人・福祉法人
  • 介護・看護分野に進出したい異業種企業
  • エリア内で事業拡大中の訪問看護ステーション

ステップ4:トップ面談・条件交渉

お互いの方向性が合えば、経営者同士による「トップ面談」を実施します。

▶ 面談で話す内容例

  • 事業のこだわりや運営方針
  • 譲渡後のスタッフ体制
  • 管理者・看護師の継続雇用可否
  • 譲渡後に一時的に残るかどうか

ステップ5:基本合意契約の締結

以下のような内容をまとめた契約を締結します。

  • 譲渡価格
  • 譲渡予定日
  • 独占交渉期間
  • 秘密保持
  • 後の調査に関する取り決め

ステップ6:デューデリジェンス(調査)

買い手側が、財務・法務・許認可・労務・保険請求状況などを詳細にチェックします。

▶ 準備する資料例

  • 決算書(3期分)
  • スタッフの雇用契約・配置表
  • 利用者数・稼働率データ
  • 行政対応履歴(監査・指導など)

ステップ7:最終契約・引き継ぎ完了

デューデリジェンスが完了したら、最終契約を締結し、資金の受け渡しと許認可の引き継ぎへ。

訪問看護の場合は「指定の承継手続き(運営法人変更届等)」が必要になります。


4. M&A完了までのスケジュール感

一般的なスケジュール目安(6ヶ月前後)

フェーズ所要期間
相談・査定1〜2週間
買い手探し・マッチング1〜2ヶ月
面談・交渉・基本合意1ヶ月程度
調査・契約準備1〜2ヶ月
最終契約・引き継ぎ1ヶ月前後

※急ぐ場合は3ヶ月程度での成約も可能ですが、丁寧に進めるには6ヶ月前後がベストです。


5. よくある質問と不安への回答

Q. スタッフにはいつ伝えるべきですか?

A. 最終契約直前〜契約後に、経営者から丁寧に説明するのが一般的です。早すぎると不安を煽ってしまう可能性があります。

Q. 看護師や管理者が辞めたら売却できませんか?

A. 影響はありますが、体制変更の計画があれば調整可能な場合も多いです。早めの相談がカギです。

Q. 赤字でも売却できますか?

A. ケースによりますが、立地や体制が魅力的であれば、赤字でも譲渡された事例は多数あります。


6. まとめ|「早めの相談」が成功のカギ

訪問看護ステーションのM&Aは、地域医療をつなぎ、職員・利用者を守るための選択肢です。

売却を成功させるには…

  • 適切なタイミングで動くこと
  • 専門家のサポートを受けること
  • ステーションの価値を正しく伝えること

当社では、訪問看護ステーションに特化したM&A支援を行っており、無料相談・簡易査定も随時受け付けております。

「売れるかどうか知りたい」「まだ迷っているけど話だけ聞きたい」
そんな方も、お気軽にご相談ください。