M&Aコラム

トップ > M&Aコラム > 介護 > 施設 > 住宅型有料老人ホーム > サ高住と住宅型老人ホームの売却しやすさを比較|違いと成功のポイントを解説

サ高住と住宅型老人ホームの売却しやすさを比較|違いと成功のポイントを解説

高齢者向け住宅の経営者にとって、「売却できるのか?」「どちらが買い手がつきやすいのか?」といった悩みは尽きません。

特に近年は、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)住宅型有料老人ホームのM&Aが活発化しており、それぞれの売却しやすさや評価ポイントの違いが注目されています。

この記事では、サ高住と住宅型老人ホームの売却しやすさを比較し、それぞれの特徴やM&Aの成功ポイントをわかりやすく解説します。


目次

  1. サ高住と住宅型老人ホームの違いとは?
  2. 売却のしやすさを比較する3つのポイント
  3. サ高住の売却しやすさと注意点
  4. 住宅型老人ホームの売却しやすさと注意点
  5. 売却成功のために共通して大事なこと
  6. まとめ|“物件の違い”ではなく“体制の質”が重要

1. サ高住と住宅型老人ホームの違いとは?

まずは、両者の制度上の違いを押さえておきましょう。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

  • 高齢者住まい法に基づく登録制度
  • バリアフリー対応の賃貸住宅
  • 安否確認・生活相談サービスの提供が義務
  • 介護サービスは外部事業所から提供(訪問介護など)

住宅型有料老人ホーム

  • 老人福祉法に基づく都道府県の指定・監査対象
  • 住まいと食事、生活支援サービスを提供
  • 訪問介護事業を併設することが多い
  • サ高住に比べて「施設」としての色が濃い

この違いが、売却時の評価や買い手の選定にも影響してきます。


2. 売却のしやすさを比較する3つのポイント

サ高住と住宅型老人ホームの売却しやすさを比較する上で、以下の視点が重要です。

  1. 制度・指定・許認可の違い
  2. 運営主体・介護サービスの有無
  3. 買い手のニーズと将来性

この3点をふまえて、次章からそれぞれの特徴を詳しく見ていきます。


3. サ高住の売却しやすさと注意点

売却しやすさ:★★★☆☆

メリット

  • 許認可が不要で売却までの手続きが比較的シンプル
  • 外部サービス(訪問介護・看護)と組み合わせやすく自由度が高い
  • 比較的新しい建物が多く、設備面で魅力がある

デメリット・注意点

  • 収益構造が薄利になりやすい(賃貸+基本サービスのみ)
  • 訪問サービスを併設していないと買い手にとって魅力が薄い
  • 自立・軽度者が多く、将来の介護ニーズに不安を感じる買い手も

▼ 買い手の傾向:
大手不動産系法人や、介護周辺サービス業者に人気


4. 住宅型老人ホームの売却しやすさと注意点

売却しやすさ:★★★★☆

メリット

  • 介護サービスを組み込みやすく、収益性が高い
  • 訪問介護や看護とセットでの一体売却が可能
  • 指定・運営体制が整っていれば買い手にとって魅力がある

デメリット・注意点

  • 指定制度や人員基準に詳しくない買い手にはハードルがある
  • スタッフの定着や行政対応履歴が重要視される
  • 指定更新のタイミングによってはタイムロスが生じることも

▼ 買い手の傾向:
介護事業者・医療法人・福祉法人が中心


5. 売却成功のために共通して大事なこと

サ高住・住宅型いずれの場合も、次のような点が売却成功の鍵となります。

  • 稼働率と収益が安定している
  • スタッフ体制が確立されている
  • 買い手が安心して承継できるよう資料を整理している
  • 現場との信頼関係が強く、引き継ぎ後も混乱が起きにくい

加えて、建物の契約形態(賃貸・所有)や地域内の競合状況も評価に大きく関係します。


6. まとめ|“物件の違い”ではなく“体制の質”が重要

サ高住と住宅型老人ホームの売却しやすさには違いがあるものの、最も重視されるのは「事業の中身」です。

たとえ小規模であっても、職員体制・運営方針・稼働率・収益性が安定していれば、高評価で売却される可能性は十分にあります

「今の自社は売れる状態なのか?」という点を判断するには、専門家のアドバイスが非常に有効です。

当社では、サ高住・住宅型有料老人ホームの売却相談を無料で承っております
譲渡や撤退を迷っている段階でも、お気軽にご相談ください。