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売却|人手不足で続けられない介護事業の選択肢

人手不足に悩む介護事業の売却・事業承継をイメージした介護施設と契約書類

人手不足で売却を検討すべきタイミング

介護事業の売却は、経営が立ち行かなくなってからではなく、まだ選択肢が残されている段階で検討することが重要です。採用難が長期化すると収益性や事業価値へ影響する可能性があるため、「まだ続けられる」と感じている時期から情報収集を始めることで、より多くの選択肢を持てる場合があります。

採用費が利益を圧迫している

求人広告や人材紹介会社への紹介手数料など、採用関連費用が年々増えているにもかかわらず、人材確保につながらない状況が続いている場合は注意が必要です。

採用コストが増え続けると、設備投資や職員の処遇改善に回せる資金が減少し、経営改善の余力も小さくなります。

管理者や中核職員の退職予定がある

管理者やサービス提供責任者など、事業運営の中心となる職員の退職予定があるにもかかわらず、後任が見つからない場合は、将来的な事業運営への影響を考える必要があります。

買い手企業によっては、採用力や教育体制、組織運営のノウハウを持っているため、自社だけでは解決が難しい課題を改善できる可能性があります。

稼働率が下がり始めている

職員不足によって利用者の受け入れを制限すると、稼働率が低下し、売上にも影響が及びます。

稼働率が大きく下がってからではなく、変化が見え始めた段階で今後の経営方針を見直すことが、選択肢を広げることにつながります。

廃業を考え始めたときこそ相談のタイミング

「このまま続けるべきか」「廃業しかないのではないか」と感じ始めた段階は、M&Aを検討する一つのタイミングです。

売却を前提とする必要はありません。現在の事業価値や市場での評価を知ることで、事業継続・売却・承継など、複数の選択肢を比較しながら判断しやすくなります。

経営判断の目安となるチェックリスト

次の項目に複数当てはまる場合は、一度事業承継について情報収集を始めることも選択肢の一つです。

  • 半年以上、十分な採用ができていない
  • 管理者や中心職員の後任が決まっていない
  • 経営者自身が日常的に現場へ入っている
  • 利用者の受け入れを断ることが増えている
  • 廃業を考えたことがある

売却を決断するかどうかは別として、現在の事業価値を把握しておくことは、今後の経営判断に役立ちます。

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売却と廃業はどちらがよい?

採用難によって事業継続が難しくなった場合、「売却」と「廃業」のどちらを選択すべきか悩まれる方も少なくありません。それぞれに特徴があるため、利用者や従業員への影響も含めて比較することが大切です。

比較項目売却(M&A)廃業
利用者サービス継続の可能性がある他事業所への移行が必要になる場合がある
従業員雇用が引き継がれる可能性がある退職となる可能性が高い
事業資産譲渡対象となる可能性がある処分が必要になる場合がある
譲渡対価得られる可能性がある原則として得られない

すべての事業所に売却が適しているとは限りませんが、利用者へのサービス継続や従業員の雇用維持という観点では、M&Aが有力な選択肢となるケースがあります。

買い手企業が人手不足の事業所を買収する理由

介護業界では、新規開設よりも既存事業所を承継することで事業拡大を図る法人もあります。

地域で一定の利用者基盤があり、運営体制を改善できる余地がある事業所は、採用力や教育体制を持つ法人から評価される場合があります。

そのため、「採用が難しい=売却できない」と考えるのではなく、買い手の視点も踏まえて事業価値を検討することが重要です。

人手不足でも評価されやすい介護事業にするポイント

採用難を抱えている場合でも、事前準備によって買い手からの評価につながることがあります。重要なのは、現状を隠すことではなく、課題と改善状況を整理したうえで事業の強みを伝えることです。

職員の定着状況を整理する

離職率だけではなく、勤続年数の長い職員や資格保有者の割合、教育体制などを整理しておくと、組織の安定性を客観的に伝えやすくなります。

採用が難しい状況でも、定着率が高い職場であれば、買い手にとって魅力となる場合があります。

介護報酬の加算取得状況を整理する

介護報酬に関する各種加算の取得状況は、事業の収益性や運営体制を示す重要な資料です。

取得済みの加算だけでなく、算定要件や運営体制を整理しておくことで、買い手との協議も進めやすくなります。制度内容は改定される可能性があるため、最新の介護報酬制度をご確認ください。

財務資料や運営データを準備する

決算書や試算表だけでなく、利用者数の推移、稼働率、職員構成、加算取得状況などを整理しておくことで、事業内容を具体的に説明しやすくなります。

資料が整っていることは、買い手に安心感を与え、スムーズな検討につながる可能性があります。

早めに専門会社へ相談する

売却を決めてから相談するのではなく、「今の事業価値を知りたい」という段階で相談することも有効です。

早い段階で相談することで、売却の可否だけでなく、企業価値を高めるために改善できる点についてアドバイスを受けられる場合があります。

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まとめ

介護業界では、採用難や人材不足が経営へ与える影響が年々大きくなっています。厚生労働省では、第9期介護保険事業計画に基づき、2026年度には約240万人、2040年度には約272万人の介護職員が必要になると推計しており、人材確保は今後も重要な経営課題になると考えられています。

一方で、採用が難しいからといって、必ずしも売却できないわけではありません。利用者基盤や地域での需要、運営体制などを総合的に評価する買い手も多く、事業承継によって利用者へのサービス継続や従業員の雇用維持につながる可能性があります。

「まだ続けられるかもしれない」と感じている段階で事業価値を確認しておくことは、将来の経営判断に役立ちます。売却を決断していなくても、まずは専門家へ相談し、自社の状況を客観的に把握することから始めてみてはいかがでしょうか。

よくある質問

人手不足でも介護事業を売却できますか?

はい。採用難だけで売却できなくなるわけではありません。利用者数や稼働率、地域性、加算取得状況、収益性などを総合的に評価して判断されます。

赤字でも相談できますか?

赤字であっても相談可能です。一時的な業績悪化や採用難が要因であれば、買い手とのマッチングが成立するケースもあります。

従業員にはいつ伝えるべきですか?

一般的には秘密保持を徹底しながら手続きを進め、適切なタイミングで説明します。具体的な時期は案件ごとに異なるため、M&Aアドバイザーと相談しながら進めることが重要です。

査定だけでも依頼できますか?

はい。売却を決めていない段階でも、事業価値や市場での評価を把握する目的で相談・査定を利用できます。

免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、個別の税務・法務・会計・行政手続きに関する助言を行うものではありません。制度や介護報酬、各種法令は改定される場合があります。実際の手続きや経営判断については、最新の公的情報をご確認のうえ、税理士・弁護士・行政書士などの専門家へご相談ください。

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